三大栄養素・カリウム編
前回は窒素についてでしたが、作物に重要な働きを起こすカリウムは作物に対してどういう影響を及ぼすのかをお伝えしていきたいと思います。
カリウムの作物の働き
カリウムは肥料では単に「カリ」と呼びます。カリは細胞液の中でカリウムイオンとして存在し、タンパク質や炭水化物の合成・移動・蓄積など植物体内の様々な化学反応を促進する補酵素として働いていると考えられています。また葉からの水分蒸散の調節などにも関わっており、根や茎を丈夫にし、病害虫や寒さに対する抵抗力をつけるのにも役立っています。
細胞の膨圧維持に関係していて、作物の水分保持に関係が深いということが挙げられます。
また光合成や炭水化物の合成に関与していて、そのため作物の収量にかなり影響があると言えます。
カリウムの働きで重要なことは根や茎の成長に必要な点と病虫害や悪環境に対する抵抗力が付くという点です。
根や茎が成長しなければ葉も付きませんし、付いてもすぐに枯れる原因になってしまいます。
作物の三大要素のうちの一つなだけあって、やはり重要な働きがあるのですね。
因みにカリウムは漢字では「加里」と書くそうです。知らなかったなぁ。
カリウムのデメリットとは
カリウムが作物に必要な要素と言うことはわかりましたが、やはり作物に多すぎても少なすぎても良くないもの。
ここではカリウムが多すぎて発生するデメリットと少なすぎて発生するデメリットについてお伝えします。
【カリウムが多い場合】
・極端な過剰ではカルシウムやマグネシウムの吸収が悪くなる
【カリウムが少ない場合】
・古い葉の先端から縁にかけて黄色くなり、葉が枯れる。
・新芽は大きくならず葉の色が暗緑色になる。
・根の伸びも悪くなり、根腐れが起きやすくなる。
・果実は大きくならず、味が悪くなる。
といった点が挙げられます。
因みに、カリウムは植物体内で移動しやすい成分なので古い葉から症状が現れるようです。勿論カリウム不足の場合のみに起こる現象ではなく、複合的な要因で上記の様な症状がでるので一つの要因として覚えておくのがいいでしょう。
今回はここまで。