【土壌改善】石灰を蒔かなければいけない2つの理由
今回のテーマは石灰についてです。
畑を始めるにはやはり土作りをしなければいけません。
そのためには必ずと言って良いほど「石灰」「堆肥」「肥料」というワードが重要になってきます。
今回はそのなかでも石灰について注目していきたいと思います。
石灰ってそもそも何?
石灰(せっかい)とは、生石灰(酸化カルシウム、CaO)または消石灰(水酸化カルシウム、Ca(OH)2)のこと。炭酸カルシウム(CaCO3)やカルシウム(Ca)を指すこともある。
石灰とは結局カルシウムです。
よく学校の校庭で運動会をする時などにラインを引くのに使われる白い粉がありますが、あれは消石灰といいます。
食品に乾燥剤として入れられている石灰は生石灰と言います。
石灰にも様々な種類があり、その用途は多岐に渡る物となっています。
石灰の効果って?
土壌改善における石灰の効果は大きく2つあります。
- 酸性土壌を中性に戻す
石灰は基本的にアルカリ性の物質です。(硝酸カルシウムは中性)
消石灰、生石灰、苦土石灰、有機石灰などは全てアルカリ性の石灰です。
酸性に偏っている土壌にアルカリ性の石灰を混ぜることで中性に戻そうと言うことですね。
ではなぜ中性に戻したいかというと、家庭菜園で作りたい作物の殆どが中性に近い土壌を必要としている傾向にあるからです。(以下参照)
ではなぜ土壌が酸性になるのかと言うことなのですがこの理由は以下の3つが原因とされています。
(1) 雨水には、空気中の二酸化炭素が溶け込んでいて、弱酸性になっている。
以上のことからどうしても土壌は酸性に偏ってしまうため、土作りをする際はほとんどの場合は石灰を蒔かなければいけないというわけです。
(2) 日本は降雨量が多いため土中のアルカリ分(石灰分)が流される。
(3) 畑では化成肥料が多用される(硫安など硫黄を含む原料が多い)。
適正なPHにしなければ作物はきちんと育ちません。
自宅の花壇で何の土壌化以前もせずに春菊を育てたことがあるのですが、芽は出たものの、その後成長せず枯れていったという経験があります・・・ - カルシウム補給のため
石灰にはカルシウムが含まれます。カルシウムが作物に与える影響は細胞膜を丈夫にして病害虫に対する抵抗力をつけること、作物の根の生育を促進することにあります。
カルシウムが少なければ白菜などの芯腐れ、トマトやピーマンの尻腐れの原因になってしまいます。
ですから、メインになってくる窒素、リン、カリウムに続いて重要な栄養素と言えるでしょう。
石灰の種類について
簡単に石灰の種類についてまとめてみました。
種類 | 特徴 |
消石灰 | アルカリ性がとても強いので、酸性土壌を速やかに中和する。 窒素肥料との化学反応でアンモニアガスが発生したり、皮膚につくと被れたりする。 |
生石灰 | 酸性中和力が高い。 水と反応して発熱するので土壌消毒にもなる。 |
有機石灰 | カキやホタテなどの貝殻、卵の殻などを粉末にしたものがある。 あまり強いアルカリ性ではないため穏やかに中和していく。土が硬くなったりなどの失敗が少ない。 |
苦土石灰 | カルシウムの他にマグネシウムが含まれている。 ちなみに苦土とはマグネシウムのこと。 |
硝酸カルシウム | 硝酸カルシウム(=ノルチッソ)は中性なので土壌をアルカリ性にしたくない時に使用する。蒔きやすい形状で、良く溶け速やかに吸収される。 |
土壌の状態や育てる作物によって用途は変わるので石灰を使う際には十分検討する必要があるでしょう。
今回はここまで。