有機肥料と無機肥料の特徴と違い
作物を育てるために土に撒く肥料には、大きく分けて「有機肥料」と「無機肥料(化学肥料)」があります。
肥料を使うには有機肥料と無機肥料の特徴と違いについて知っておき、適切な使い方をする必要があります。
今回は、有機肥料と無機肥料の特徴について解説をしていきます。
そもそも肥料とは
まず肥料とは何なのかというと
肥料(肥糧、ひりょう)とは、植物を生育させるための栄養分として人間が施すものである。土壌から栄養を吸って生育した植物を持ち去って利用する農業は、植物の生育に伴い土壌から減少する窒素やリンなどを補給しなければ持続困難である。そこで、減少分を補給するために用いるのが肥料であり、特に窒素・リン酸・カリウムは肥料の三要素と呼ばれる。肥料成分としては、他にカルシウム、マグネシウムを加えて肥料の五大要素である。さらに銅、亜鉛など、合計17種類は必須元素と呼ばれる。
つまり肥料というのは作物を育成するための栄養分ということです。
人間が生きていくのと同じで作物にも必要な栄養を取らなければ成長することができません。
では有機肥料、無機肥料。同じ肥料ですがどういった違いがあるのでしょうか。
有機肥料と無機肥料の違いとは
結論から言えば、
・有機肥料は主に草木、油粕、鶏糞、牛糞、魚の骨粉など植物や動物由来の肥料
・無機肥料(化学肥料)とは、鉱物などの無機物を原料とした肥料
のことです。
これを見ると「無機肥料は化学的で人工的な感じがして悪いんじゃないの?」と思ってしまうかもしれませんが、作物・植物にとっては全く同一の物です。
というのも、有機肥料の場合は土の中の微生物などが化学変化を起こし後、チッソ、リン、カリウムなどがイオン化されて根から無機養分として吸収されるため、無機肥料を与えるのと結局の所変わらないのです。
ではこの2種類の肥料はどのように使えば良いのでしょうか。
有機肥料と無機肥料のメリットとデメリット
この2種類の効果の違いを簡単にまとめてみました。
1 有機肥料
【メリット】
・土壌改善効果がある。(土が柔らかくなる、微生物が増える等)
・肥料の効果が長く続く。
・化学肥料より値段が安い傾向がある。
【デメリット】
・作物の育成に必要なもの(チッソ、リン、カリウムなど)は含まれているが、原料によって含有量に違いがあるのと即効性が無い(=肥料としての効果が出るまで時間がかかる)
・土壌の状態によって肥料の効果が変わる。
・追肥としては不適切。
・害虫が湧きやすい。
・窒素飢餓、ガス障害が起きることがある。
※窒素飢餓とは、有機質の肥料を土壌に加えると、土壌中の微生物が炭素をエネルギー源として盛んに活動するが、増殖の過程で微生物が大量の窒素を消費してしまい、植物の生育に必要な窒素が不足してしまう状態のこと。
※ガス障害とは、チッソ肥料(とくにアンモニア態肥料)や有機質肥料、未熟堆肥などを大量に施したときに、その分解によって発生したアンモニアが土壌中にたまり、それが温度上昇や土壌乾燥にともなってガス化して作物の葉などに急激に障害が発生すること。
2 無機肥料
【メリット】
・肥料の効果が即効性であること。
・追肥として使える。
・安定した肥料の効果が見込め、扱いやすい。
【デメリット】
・土壌の改善効果がないため、使い続けると土壌が痩せる。
・土壌が固まりやすくなる(=水分の吸収、保水、酸素が不足する)
・肥料の効果が短い。
・作物の根が傷む。
有機肥料、無機肥料はどちらが良いのか(まとめ)
育てたい作物に合わせて組み合わせを考えることが重要です。
家庭菜園をするという前提なので、時間やお金のコストも考えて有機肥料と無機肥料を使っていきたいものですね。
今回はここまで。