堆肥が与える3つの効果
今回は堆肥について取り上げていきたいと思います。
土壌を作る必要なこととして前回石灰について書きましたが、今回は次に必要な堆肥についてです。
そもそも堆肥とは何?ということと肥料とは違うの?という事についてお伝えしていきたいと思います。
そもそも堆肥って何?肥料とは違うのか
堆肥の原材料は植物由来であれば落ち葉、稲わら、籾(もみ)がらで、動植物性由来であれば牛糞、鶏糞、食品残さ(いわゆる野菜くずや魚のあら・骨などと残飯等)などがあります。
堆肥(たいひ)とは、易分解性有機物が微生物によって完全に分解された肥料のこと。有機資材(有機肥料)と同義で用いられる場合もあるが、有機資材は易分解性有機物が未分解の有機物残渣も含むのに対し、堆肥は易分解性有機物が完全に分解したものを指す。
小難しい事が書かれていますが、一言で言うと落ち葉や動物の糞尿等を発酵させたものが堆肥です。
一方肥料というのは
肥料(肥糧、ひりょう)とは、植物を生育させるための栄養分として人間が施すものである。土壌から栄養を吸って生育した植物を持ち去って利用する農業は、植物の生育に伴い土壌から減少する窒素やリンなどを補給しなければ持続困難である。そこで、減少分を補給するために用いるのが肥料であり、特に窒素・リン酸・カリウムは肥料の三要素と呼ばれる。肥料成分としては、他にカルシウム、マグネシウムを加えて肥料の五大要素である。さらに銅、亜鉛など、合計17種類は必須元素と呼ばれる。
堆肥と違い、肥料は土壌を作ると言うよりも植物を成長させるための物です。
人がサプリメントで必要な栄養補給しようとするのと似たようなものでしょうか。
肥料には有機肥料や無機肥料というものがありますが、肥料については別の機会にお伝えしていきたいと思います。
堆肥の効果について
肥料は植物を成長させるもの。では堆肥はどんな役割をしているのか。
堆肥の主な目的は土壌の改善となります。
石灰も土壌を改善する物ですが、石灰は土壌のPHを酸性から中性に寄せていくことや、土壌に潜む菌を消毒する要素が大きいです。
一方堆肥が行う土壌改善は大きく分けて3つあります。
- 物理性の改良
堆肥を使うと土に対してどういった効果があるかということですが、通気性の改良や透水性の改良、保水性の改良が上げられます。
植物も人間と同様に生きている物ですから、息もすれば水も飲むわけです。
堆肥を使用する事によって土の中の空気を確保しやすくなりますし、水分のが浸透しやすくなるわけです。
荒野みたいなカラカラな土地では土がカチカチで呼吸は出来ないわ水は浸透しないわで植物が育たない、というわけです。 - 科学性の改良
・養分(窒素、リン、カリウム等)の供給
・保肥力(土壌がどのくらい肥料分を保持できるか)の増大
・リン酸固定防止
植物に必要な三大要素は窒素、リン、カリウムですがその要素を上手く取り入れられる様になります。
さらに、その栄養分を土が多く持てるようになります。
リン酸固定というのは、施した肥料中のりん酸が土壌中に難溶性の化合物に変化し固定され、植物に吸収利用できない状態になってしまうことです。その状態になることを防ぐ目的もあります。 -
生物性の改良
・微生物活性の向上
・土壌生物の多様化
・土壌養分供給力の向上
・有害物質の分解
作物が適する土壌とは
・やわらかい土壌が厚く堆積している
・適度な排水性・保水性がある
・適量の養分を含んでいる
この状態が作物の栽培に適した土壌となるわけですね。
その適した土壌の状態にするために堆肥を蒔くわけです。
今回はこの辺で。